Wernigerode Westerntor - Drei Annen Hohne間キャブ同乗記
ハルツ狭軌鉄道
ググっと力を込め加減弁を押すと巨漢の
Ｅタンクはあっさりと発進。空転もせず滑らかな加速。
逆転機を廻しシフトアップ。
スピードが更に乗り軽快な感じに。
軒をかすめる様に市街の駅を２〜３通る。
スピードは４０ｋｍ/hぐらい。乗り心地は左右の
ブレも少なく滑らか。音も車外に比べずっと静か。
市街を抜け雑木林に囲まれた静かな駅で
Brockenから下りてきた列車と交換。
タンク機から見える前方視界はこの程度。しかし
ナローにしてはキャブ内はけっこう広く運転席には
椅子もあり機関士はタバコを吸いながら快適運転。
ブロッケン線は始発から終点まで全線が急勾配。
機関士はリラックスムードだが助手は連続投炭
を強いられ、かなりの重労働。
後付けの客車用エアーブレーキが狭い前方視界を更に
邪魔し機関士は横の窓から身を乗り出す運転姿勢。
汽笛を鳴らし沿線唯一のトンネルに吸い込まれる。
13〜15ｍ級のボギー客車８輌は観光客でほぼ満席。
７００馬力のＥタンクはスピードを落とさず最大３３‰の
勾配を一気に駆け上がる。
わずか３４ｋｍの旅程を1時間４０分も掛かる訳は
高低差９００ｍもある山岳線のためで右に左に
急カーブが続く。
満タンで出発した水も半分使い果たした。次の
停車駅で給水、その又次の駅でも給水。３４ｋｍ
の間に２回、たっぷりと補給する。
機関士が助手の投炭に合わせ釜の扉を開ける。
息の合った作業が次の停車駅までつづく。蒸気圧、空気圧
の管理、ボイラーへの注水、前方確認など機関助手は大変
忙しい。
左カーブのときは助手が前方確認。タンク機は
バック運転のほうが視界が確保され安全なためか
NordhausenーWernigerode間６１ｋｍを走るこの路線
最長距離の列車は全線バック運転。
始発から１５ｋｍの中間駅Drei Annen Hohneに滑り込む。
標高５４０ｍまで登ってきた列車は山の中のオアシス
に無事到着しホッとする。
Brocken方面への分岐駅には３方向に向かう
３本のＳＬ列車が一日２回集う。２０分の停車
時間の間に給水と点検がおこなわれあわただしい。
標高１１２５ｍのBrocken駅めざし再スタート。
３３‰の急勾配が待ちうけるBrocken線は終点まで
あと小一時間もかかる。
ハルツ狭軌鉄道のWernigerode Westerntor - Drei Annen Hohne間１４ｋｍを９９２３型Ｅタンク
蒸気機関車のキャブ内に同乗してきました。意外と広く手入れの行き届いたキャブ内は素晴らしいの
一言で貴重な体験となりました。2週間の講習で釜炊きの乗務員にもなれるプログラムもあり、次は
それに挑戦したいのですが受講資格に「ドイツ語が理解できる事」とあり、それが最大のネック。
